初めて転職活動では、内定をもらった瞬間に「やっと終わった…」とほっとする人が多いでしょう。しかし、転職は内定承諾でゴールではありません。そこから「退職交渉→引き継ぎ→入社準備」という大きな山場が待っています。
この期間の段取りを間違えると、現職や次の職場での印象を損ねてしまうこともあります。
この記事では、初めて転職する人向けに、内定承諾後から入社日までの流れと注意点を詳しく解説します。スムーズに進めるための具体的な行動やチェックポイントも紹介します。

内定承諾後にまずやること
内定承諾書や雇用契約書は、企業から提示された条件(給与、勤務地、業務内容、入社日など)を再度確認してから提出しましょう。条件の食い違いは承諾前に確認するのが鉄則です。口頭内定後、正式書類で確認すると安心です。
承諾後は入社日が確定するので、それに併せて現職への退職意思表明のタイミングを決めます。一般的には退職希望日の1〜2か月前が目安です(就業規則も必ず確認)。
例:4月1日入社予定→2月上旬までには上司に退職意思を伝える
退職手続きの流れ
退職はまず直属の上司に口頭で伝えます。突然、人事や同僚に言うと、間接的に上司に伝わってしまう可能性があります。
流れとしては、
1.上司に相談(退職理由は前向きに)
2.退職日をすり合わせる
3.人事へ正式連絡
4.退職届を提出
退職理由は、「キャリアアップ」「新しい分野への挑戦」など、前向きな表現を選びましょう。不満や愚痴を話すと関係が悪化し、最終日まで気まずくなります。
引き継ぎ準備
転職での評価は「最後まで責任を持って仕事をしたのか」で決まると言っても過言ではありません。引き継ぎ資料は業務手順だけでなく、関係者の連絡先、注意点、進行中の案件状況までまとめておきましょう。
顧客や取引先への引き継ぎは、担当変更の挨拶も忘れずに。メールだけでなく、必要に応じて直接会って引き継ぐと信頼が残ります。
有給休暇の消化と最終出勤日
有給休暇は労働者の権利ですが、取得方法は会社のルールに従う必要があります。「残り日数を全部使いたい」と思っても、引き継ぎが終わっていなければ認められないこともあります。
例:退職日を3月31日に設定し、3月15日から有給休暇の消化に入るなど
最終出勤日は、引き継ぎ完了後に設定するとトラブルが少なくなります。「残務処理が残っているのに最終出勤日を迎えた」という状態は避けましょう。
退職日にやること
退職日には、貸与物(PC、社用携帯、社員証、鍵など)を忘れずに返却します。健康保険証は医療機関を使う予定がなければ早めに返すと手続きがスムーズです。
人事から離職票や源泉徴収票の受け取り方法の確認もしましょう。次の会社で年末調整を受ける際に必要になります。会社によっては後日郵送されることもあります。
また、退職の挨拶はメールだけでなく、直接伝えると好印象です。「在職中お世話になった感謝」と「今後の活躍を祈る言葉」を入れると円満退社になります。
入社までの準備
新しい職場で必要な書類は、
などがあります。
会社によって求められる書類は異なるため、入社案内をよく確認してください。
通勤経路や定期券の確認、初日の持ち物(印鑑、筆記用具など)もチェックしておきましょう。また、入社前に業界知識や業務関連のスキルを予習しておくと、初日からスムーズに動けます。
よくある失敗と注意点
初めての転職では、想定よりも時間がかかる場合が多くあります。退職日から逆算して行動計画を立てることが成功のカギです。
まとめ
内定承諾後の期間は、現職への感謝を示す最後のチャンスであり、新しい職場での第一印象を作る準備期間でもあります。
1.条件確認をしてから承諾する
内定通知の条件は必ず書面で確認しましょう。
2.上司への報告は早めに
円満退社には余裕を持ったスケジュールが必要です。
3.引き継ぎは丁寧に
現職への感謝と責任感を示す最後の場面です。
4.入社前の準備は計画的に
必要書類、通勤経路、業務予習など事前に整えておくと安心です。
初めての転職は、退職から入社までの流れを知っているだけで余裕を持って進められます。現職でも次の職場でも良い印象を残し、気持ちよく新しいスタートを切りましょう。