「入社してまだ1年も経っていないのに、もう辞めたい…」
そんな気持ちを抱えながら働いている方は少なくありません。
ただ、転職市場では「早すぎる退職」はネガティブに見られるケースも多く、慎重に判断する必要があります。本記事では、入社1年未満で転職を考える際のリスクと成功のポイントを、人事目線で解説します。
入社1年未満の転職が「早すぎる」と言われる理由
企業が抱く懸念
採用担当者が履歴書を見たときに「1年未満で退職」の経歴があると、こんな不安を持たれやすいです。
- 忍耐力がないのでは?
- またすぐ辞めてしまうのでは?
- 業務をやり切る前に投げ出したのでは?
つまり「採用リスクが高い人材」と見られてしまう可能性があるのです。
スキル・実績不足の印象
1年未満では十分な成果や経験を積めていないと判断されがちです。即戦力を求める中途採用では「まだ育成が必要」と見なされることもあります。
それでも転職を考えるべきケース
一方で「どんな理由でも1年は我慢すべき」というわけではありません。以下のようなケースでは、むしろ早めの行動が必要です。
- ハラスメントや違法な労働環境
- 求人内容と実際の業務が大きく乖離している(例:営業希望なのに倉庫作業ばかり)
- 体調・メンタルに支障をきたしている
このような状況は「本人の努力不足」ではなく「環境側の問題」です。健康やキャリアを守るためにも、我慢するより転職を検討した方が良いケースといえます。
ある20代の方は「企画職」として入社したのに、実際はほとんどが単純なデータ入力業務。将来に繋がらないと判断し、半年で転職活動を開始しました。結果的に「仕事内容が求人票と大きく異なっていた」という正当な理由を伝えられ、次の会社では希望通り企画に携わることができました
1年は頑張るメリットもある
一方で、まだ耐えられる状況なら「最低でも1年続ける」メリットもあります。
- 一定のスキルや成果を得られる
- 履歴書で印象が安定する
- 自己分析の材料が増える
特に「なぜ転職したいのか」「次にどんな環境を求めるのか」を言語化できるようになるのは、1年以上在籍した場合の大きな強みです。
我慢する期間の過ごし方
- 今の仕事で得られるスキルをリスト化する
- 不満点をメモに残し、次の会社選びの基準にする
- 資格取得や勉強を並行して進める
「とりあえず耐える」ではなく「次に活かすための準備期間」として過ごすと、1年後の転職成功率は大きく変わります。
早期退職でも成功する人の特徴
1年未満で転職しても成功する人には共通点があります。
- 退職理由を前向きに説明できる
(例:「会社の方針と自分のキャリアの方向性にズレがあり、成長できる環境を求めて転職を決意しました」) - 応募先で活かせるスキルを具体的に語れる
- 次こそ長く働く覚悟があることを伝えられる
面接での答え方例
「上司と合わなかったので辞めました」
→ 感情的・後ろ向きに聞こえる
「上司からのフィードバックを受ける中で、自分が成長できる環境は別の方向にあると感じました。今回の転職では、◯◯のスキルを伸ばせる環境を求めています」
→ 自己分析と成長意欲が伝わり、前向きに聞こえる
人事からのアドバイス
人事の立場から言うと「入社1年未満の転職=即アウト」では決してありません。ただし、説明不足や準備不足だと厳しい評価を受けるのも事実です。
- 転職理由を前向きに整理する
- 応募先企業との接点を明確にする
- 次の転職で腰を据える意思を示す
この3つをしっかり押さえておけば、早期退職でも不利を乗り越えることは可能です。
まとめ
「まだ1年しか経ってないから辞められない」と思い込む必要はありません。大切なのは、辞めるか続けるかではなく、どう次につなげるか。
自分のキャリアを守る選択をしていきましょう。
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