就職活動が本格的に始まると、必ず耳にするのが「合同企業説明会(合説)」です。大手就活ナビサイトや大学が主催し、数十〜数百社が集まる大規模イベントもあれば、地域や業界ごとに開催される小規模イベントもあります。
しかし就活生の中には、
- 「合同説明会って正直意味ないのでは?」
- 「行った方がいい人と、行かなくてもいい人の違いって?」
- 「参加すると疲れるって聞くけど、本当?」
と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
今回は、企業の人事として実際に採用活動に関わってきた経験をもとに、合同企業説明会に参加するメリット・デメリット、本当に行くべきかどうかを解説します。
合同企業説明会とは?
合同企業説明会とは、複数の企業が一堂に集まり、学生に向けて会社説明を行うイベントです。就活の入口として多くの学生が利用する場であり、企業にとっても「まだ志望業界が固まっていない学生に知ってもらう」大きなチャンスとなります。
大規模イベントでは人気企業のブースに長蛇の列ができ、説明を聞くだけで30分以上待つこともあります。一方、小規模な合説では企業と学生の距離が近く、ざっくばらんに質問できるのが特徴です。
合同説明会に参加するメリット
一度に多くの企業を比較できる
合同説明会最大のメリットは、効率的に複数の企業を比較できる点です。業界を絞っていない人にとっては、知らなかった企業や業界に出会うきっかけになります。
業界研究・企業研究の入口になる
各社の説明を聞くことで「この業界はこういう特徴がある」「この会社は他社とこんな点が違う」といった気づきが得られます。就活初期に情報を広く集めるには最適です。
人事や社員と直接話せる
合同説明会は「企業の生の声」を聞ける場です。採用担当者に直接質問すれば、ネットやパンフレットには載っていない情報を得られることもあります。
企業に顔を覚えてもらえる可能性がある
人事目線でいうと、合同説明会で積極的に質問してくれた学生は印象に残りやすいです。必ずしも合否に直結するわけではありませんが、「あの時の学生だ」と覚えていることはよくあります。
合同説明会に参加するデメリット
情報が浅くなりがち
合説では企業が限られた時間で説明を行うため、どうしても「会社概要」「事業内容」「求める人物像」といった表面的な情報にとどまりがちです。深い企業研究には物足りないでしょう。
非常に疲れる
広い会場を歩き回り、何社ものブースを聞いていると、想像以上に体力を消耗します。特に大規模イベントは移動時間や待ち時間が多く、「一日参加したらヘトヘト」という声も多いです。
志望業界が決まっている人には効率が悪い
「すでに第一志望の業界・企業が明確」という人にとっては、合同説明会は時間対効果が低いです。むしろその時間をES作成や個別説明会、OB訪問に使った方が有意義です。
合同説明会に行った方がいい人・行かなくてもいい人
人事としての本音を言うと、「合同説明会に来なかったから不利」ということはまずありません。むしろ、自分の就活の方向性に合わせて効率よく行動している学生は、むしろ評価が高いケースもあります。
人事の本音:合同企業説明会は“必須”ではない
人事目線で言えば、合同企業説明会は「学生との最初の接点の場」という位置づけです。多くの学生に会いたいので参加していますが、そこで会った学生を必ず採用につなげるわけではありません。
つまり、合同説明会に参加すること自体が合否を左右するわけではないのです。
ただし、印象に残った学生は「後で選考に進んだ時に顔を覚えていた」ということもよくあります。参加するなら「目的を持って動く」「質問をして印象を残す」ことが重要です。
効率的に合同説明会を活用するコツ
- 参加前に目的を決める
「業界を広く知りたい」「第一志望業界の他社を比較したい」など、明確に目的を持って参加しましょう。 - 質問を用意しておく
どの企業にも共通して聞ける質問(例:若手社員のキャリアパス、働き方、研修制度など)を準備すると効率的です。 - 疲れを前提にスケジュールを組む
一日に何社も回ると体力的にきついため、あらかじめ優先順位を決めて動きましょう。 - 参加しない場合は代替手段を使う
合同説明会に行かなくても、個別説明会や企業のオンラインセミナー、OB訪問で十分情報を得ることができます。
まとめ:合同企業説明会は「行くかどうかより、どう活用するか」
合同企業説明会は、就活初期に情報を広く集めたい人には有効な場です。しかし、すでに志望業界や企業が決まっている人にとっては、時間効率が悪く、むしろ参加しなくても問題ありません。
人事としての本音を言うと、合同説明会は「必須」ではありません。
大切なのは、限られた就活の時間をどう使うか。
- 方向性が決まっていないなら → 合同説明会で幅広く情報収集
- 方向性が固まっているなら → 個別説明会やES対策に集中
これが最も賢い就活の進め方だと言えるでしょう。
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