転職活動をしていると、「書類選考が通らない…」という壁に直面する方は少なくありません。履歴書や職務経歴書を何通も送っても、なかなか面接まで進めないと不安になりますよね。
実は、書類選考の通過率は平均で20〜30%程度といわれています。つまり、10社に応募して2〜3社に通れば一般的な水準です。それでも、まったく通らない場合は「応募書類の内容」や「応募の仕方」に改善すべきポイントが隠されています。
本記事では、人事として数多くの採用書類を見てきた経験をもとに、書類選考が通らない原因と、見直すべき具体的なポイントを解説します。
書類選考が通らない主な原因とは?

まずは、なぜ書類選考が落ちてしまうのか、その代表的な理由を整理してみましょう。
①基本的な不備がある
人事の立場からすると、基本ができていない応募者は「入社後も仕事でミスが多いのでは?」と感じてしまいます。
②志望動機や自己PRが曖昧
「成長したい」「チャレンジしたい」といった抽象的な言葉だけでは、他の応募者との差別化ができません。企業ごとに合わせた志望動機がなければ、熱意が伝わらないのです。
③経験やスキルと求人内容がマッチしていない
採用担当者は「即戦力となるかどうか」を短時間で判断します。求人票に書かれている必須条件や歓迎スキルと、応募書類の内容が噛み合っていない場合は、通過が難しくなります。
④職務経歴書が読みにくい
人事は1通あたり数分で判断するため、「パッと見で要点が伝わらない書類」は不利です。
履歴書で見直すべきポイント
履歴書は、採用担当者が最初に目にする書類。基本的な部分に気を配るだけで印象が大きく変わります。
①写真は第一印象を左右する
スナップ写真や証明写真機の雑な画像は避け、写真館で撮影した清潔感のある写真を使いましょう。これだけで「誠実そう」という印象を与えられます。
②空欄を作らない
「特になし」と書くのはマイナス印象。資格欄や特技欄は、小さなことでも埋めたほうがプラス評価につながります。
③志望動機は企業ごとに書き換える
テンプレートを使い回していると一目でわかります。求人票や企業HPを読み込み、「なぜこの会社なのか」を具体的に落とし込みましょう。
職務経歴書で見直すべきポイント
職務経歴書は「あなたがどう戦力になれるか」を伝える書類です。
①成果を数値で表す
「売上に貢献しました」よりも「新規顧客を20社獲得し、売上を前年比120%に向上」といった具体的な数値の方が説得力があります。
②求人票に合わせて内容を取捨選択
応募する企業が営業職を募集しているなら、マネジメント経験より営業成果を中心に書くべきです。すべてを盛り込む必要はありません。
③見やすさを意識する
人事は短時間で判断するため、「見やすさ」は想像以上に重要です。
④自己PRは「即戦力」を意識
企業が欲しいのは「今すぐ活躍できる人材」。そのため、スキルや経験をアピールする際は「御社の〇〇業務に活かせる」という形で結びましょう。
応募戦略を見直す
書類そのものに問題がなくても、「応募の仕方」が原因で通過率が下がっているケースもあります。
①求人とのミスマッチを減らす
自分のスキルや経験と合わない求人に応募しても、通過は難しいです。求人票を読み込み、必須条件を満たしているか確認しましょう。
②志望業界を広げる
特定の業界に絞りすぎると、書類選考の突破率が低くなります。少し視野を広げると、意外な企業でマッチすることもあります。
③応募数を増やす
1社1社に丁寧に応募することも大切ですが、応募数が少なすぎると単純に通過チャンスが減ります。まずは10〜20社程度応募するのが目安です。
人事からのアドバイス
人事の目線で強調したいのは、「書類は初対面の名刺のようなもの」という点です。
これらを意識するだけで、通過率は大きく改善します。
また、転職エージェントを活用すると、プロによる書類添削が受けられます。自分では気づけない改善点を指摘してもらえるため、活用価値は高いです。
まとめ
書類選考が通らないのは、能力不足ではなく「伝え方」に問題があるケースが多いです。
これらを実践すれば、書類選考の通過率は必ず上がります。
「なぜ通らないのか…」と悩んでいる方は、ぜひ一度応募書類を客観的に見直してみてください。小さな改善の積み重ねが、面接への扉を開く第一歩になります。