就活生にとって一番避けたいのは「ブラック企業に入ってしまうこと」です。入社後に気づいても、心身に大きな負担がかかり、短期離職にもつながりかねません。そこで大切なのが、面接の段階でブラック企業かどうかを見抜く力です。
実は、企業がどれだけ取り繕っても、面接の場では隠しきれない部分が出てきます。本記事では、現役人事の目線から「怪しいサイン」と「逆質問での見抜き方」を紹介します。
ブラック企業の特徴は面接に現れる
ブラック企業は求人票や説明会で魅力的な言葉を並べますが、実際の環境を隠しきれるわけではありません。特に、面接官の態度・回答の内容・逆質問への反応に注目すれば、入社前に判断できるケースは多いです。
就活生は「企業に評価される」ことばかり意識しがちですが、同時に自分が企業を見極める意識を持つことが重要です。
面接中に注意すべきブラック企業のサイン

①面接官が高圧的・無礼
候補者を見下す態度や、横柄な言葉づかいをする面接官は要注意。社員に対しても同じ姿勢を取っている可能性があります。
②仕事内容や待遇が曖昧
「やる気次第でどんどん仕事を任せる」「幅広い業務を経験できる」など、具体性のない説明はブラック企業の典型パターンです。働き方や業務範囲が不透明な場合は疑った方が良いでしょう。
③残業や休日の質問をはぐらかす
「若いうちは働いて当然」「残業は愛社精神」など、働き方に関する質問を曖昧に済ませる企業は危険信号です。数字や実態を出さない会社はブラック体質の可能性が高いです。
④定着率や社員情報を隠す
「離職率は公表していません」「社内見学は難しいです」など、社員の実態に関する情報を隠す企業は要注意。健全な企業なら、むしろ誇らしく話す部分です。
⑤やたらと内定(承諾)を急がせる
「すぐに内定を出します」「明日までに返事をください」など、短期間で決断を迫るのも危険。冷静な判断をさせないのはブラック企業がよく使う手法です。
ブラック企業を見抜く逆質問集

面接の最後で必ず聞かれる「何か質問はありますか?」。ここでの逆質問は、ブラック企業かを見抜く絶好のチャンスです。
以下に紹介する質問を使えば、企業の姿勢や透明性が浮き彫りになります。
逆質問リスト
「入社3年以内の定着率はどのくらいですか?」
数字を答えられない、または濁す場合は注意。
「最近入社した社員はどのようなキャリアを歩んでいますか?」
具体的な事例が出ない会社は、教育体制が弱い可能性。
「活躍している若手社員の1日のスケジュールを教えていただけますか?」
働き方が過酷ならスケジュールで透けて見えます。
「直近の平均残業時間を教えていただけますか?」
正確に把握していない=労務管理ができていない。
「有給休暇の取得率はどの程度ですか?」
取得率が極端に低い会社はワークライフバランスが崩壊。
「社員が長く働き続けている理由はなんだと思われますか?」
企業の人材感が見える。答えが抽象的なら要注意。
「評価や昇進の基準はどのように決まっていますか?」
不透明な基準はブラック企業の温床。
「選考の中で社員の方と直接お話できる機会はありますか?」
拒否される場合、社内の雰囲気を見せたくない可能性。
逆質問するときの注意点
逆質問についてはこちらの記事にもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
ブラック企業は求人票や説明会では魅力的に見えても、面接の場では必ずほころびが出ます。
これらに注意すれば、入社前にかなりの確率で「ブラック企業かどうか」を見抜けます。
面接は企業に選ばれる場であると同時に、あなたが企業を選ぶ場です。違和感を覚えたら、その直感を軽視せず、冷静に判断してください。