カレンダーは8月。26卒の友人たちはSNSで「内定をもらいました!」と報告し、実家に帰れば家族から「就活どう?」と聞かれる。そんな中、自分はまだ内定ゼロ…。「もう手遅れなのでは?」と焦ってしまうのも当然です。
しかし、8月時点で内定がないことは必ずしも「終わり」を意味しません。
現役人事として採用現場を見てきた経験から、その理由と、ここから巻き返す方法を解説します。
8月時点での内定がない就活生の割合
就職情報会社の調査によると、毎年の8月時点での就職内定率は80%前後となっています。つまり、残りの約20%はまだ内定が決まっていないということです。
この20%という数字は少ないようで、全国の就活生を考えると何万単位で仲間がいることになります。
焦りを感じるのは自然ですが、「まだ決まっていない人は珍しくない」という事実を知るだけで、少し気持ちが楽になるはずです。
「やばい」かどうかの判断基準

8月で内定がない場合、やばさの度合いは志望業界や活動状況によって変わります。
志望業界が秋採用をほぼ行わない場合
大手メーカー、マスコミ、公務員など。募集が一巡しているため難易度が高くなります。
活動量が少ない場合
「数社しか受けていない」「選考がストップしている」など、母数が少ないと当然内定の確率も下がります。
視野を広げられる場合
業界や企業の規模を広げれば、まだまだ採用中の企業は多く存在します。
要するに、今の動き方を続けるか、方向転換できるかで結果が大きく変わるということです。
秋採用・冬採用の現実
内定は春〜夏に集中しますが、秋以降にも採用は続きます。
秋採用(9月〜11月)
内定辞退や採用計画の見直しによって、追加募集を行う企業があります。特に中小企業やベンチャーでは、秋以降の採用も珍しくありません。
冬採用(12月〜3月)
卒業直前まで新卒枠で採用する企業も存在します。欠員補充や即戦力がほしいケースが多いです。
さらに、秋や冬の時期は企業側の心理にも変化があります。
春〜初夏に比べて応募数が落ち着き、面接官も「とりあえず一度会ってみよう」というスタンスになることが増えます。この「会ってもらえる確率が上がる」状況は、逆に言えば、就活生にとって狙い目の時期です。
ただし、募集数自体は減る傾向があるため、少ないチャンスを確実に掴む動き方が重要です。
8月からの巻き返し戦略
志望業界・職種の幅を広げる
第一志望業界にこだわりすぎている場合は要注意。関連業界や異業種も視野にいれ、求人を探しましょう。
中小企業・ベンチャーもチェック
大手志向の就活生は多いですが、規模の小さい企業でも成長性ややりがいの大きい会社はたくさんあります。採用スピードが早く、面接日程も柔軟に調整できます。
スカウト型サービスの活用
プロフィールをしっかり作り込めば、企業から直接アプローチが届く可能性があります。
就活エージェントに登録
個別に求人紹介を受けられ、面接日程調整や対策もサポートしてもらえます。自分1人では見つからない求人に出会えることも。
選考スピードを意識する
8月以降は応募から内定までの期間が短い傾向があります。連絡は即レス、面接日程は早めに押さえることを心がけましょう。
気持ちの整理も大切
焦りから自己肯定感が下がると、面接での印象にも影響します。「自分には何もない」と思わずに、これまでの経験や強みを洗い出し、言語化しておきましょう。
就活はゴールではなく、スタート地点に立ちためのプロセスです。
就活に悩んだときに相談すべき相手についての記事もありますので、よかったらご覧ください。
まとめ
就活の山場は春〜夏ですが、まだ巻き返すチャンスは十分にあります。「やばい」と思った瞬間こそ、動き方を変えるタイミングです。今日から動き出しましょう!